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بِسْمِ ٱللَّهِ ٱلرَّحْمَٰنِ ٱلرَّحِيمِ طسٓمٓ ۝١

ター・スィーン・ミーム。

تِلْكَ ءَايَٰتُ ٱلْكِتَٰبِ ٱلْمُبِينِ ۝٢

これらは,明白な天啓の書の御印である。

نَتْلُوا۟ عَلَيْكَ مِن نَّبَإِ مُوسَىٰ وَفِرْعَوْنَ بِٱلْحَقِّ لِقَوْمٍۢ يُؤْمِنُونَ ۝۳

われは信仰する者のために,ムーサーとフィルアウンの物語の1部をありのままあなたに読誦しよう。

إِنَّ فِرْعَوْنَ عَلَا فِى ٱلْأَرْضِ وَجَعَلَ أَهْلَهَا شِيَعًۭا يَسْتَضْعِفُ طَآئِفَةًۭ مِّنْهُمْ يُذَبِّحُ أَبْنَآءَهُمْ وَيَسْتَحْىِۦ نِسَآءَهُمْ ۚ إِنَّهُۥ كَانَ مِنَ ٱلْمُفْسِدِينَ ۝٤

本当にフィルアウンは,この国において専横を極め,その民を諸党派に分け,かれらの中の一派を押さえて男児を殺し,女児は生かして置いた。本当にかれは非道であった。

وَنُرِيدُ أَن نَّمُنَّ عَلَى ٱلَّذِينَ ٱسْتُضْعِفُوا۟ فِى ٱلْأَرْضِ وَنَجْعَلَهُمْ أَئِمَّةًۭ وَنَجْعَلَهُمُ ٱلْوَٰرِثِينَ ۝٥

われは,この国で虐げられている者たちに情けを懸度いと思い,かれらを(信仰の)指導者となし,(この国の)後継ぎにしようとした。

وَنُمَكِّنَ لَهُمْ فِى ٱلْأَرْضِ وَنُرِىَ فِرْعَوْنَ وَهَٰمَٰنَ وَجُنُودَهُمَا مِنْهُم مَّا كَانُوا۟ يَحْذَرُونَ ۝٦

そしてこの国にかれらの地歩を確立させて,フィルアウンとハーマーンの軍勢に,かれらが警戒していたことを目の当たりに示そうとした。

وَأَوْحَيْنَآ إِلَىٰٓ أُمِّ مُوسَىٰٓ أَنْ أَرْضِعِيهِ ۖ فَإِذَا خِفْتِ عَلَيْهِ فَأَلْقِيهِ فِى ٱلْيَمِّ وَلَا تَخَافِى وَلَا تَحْزَنِىٓ ۖ إِنَّا رَآدُّوهُ إِلَيْكِ وَجَاعِلُوهُ مِنَ ٱلْمُرْسَلِينَ ۝۷

そこでわれは,ムーサーの母に啓示して言った。「かれに乳を飲ませなさい。かれの(身の)上に危険を感じた時は,かれを川に投げ込み,恐れたり悲しんではならない。われは必ずかれをあなたに返し,使徒の一人とするであろう。」

فَٱلْتَقَطَهُۥٓ ءَالُ فِرْعَوْنَ لِيَكُونَ لَهُمْ عَدُوًّۭا وَحَزَنًا ۗ إِنَّ فِرْعَوْنَ وَهَٰمَٰنَ وَجُنُودَهُمَا كَانُوا۟ خَٰطِـِٔينَ ۝۸

フィルアウンの家族は,(他日)かれらの敵になり,悲しみの種となるかれを拾い挙げた。本当にフィルアウンとハーマンそしてその軍勢は,罪深い者たちであった。

وَقَالَتِ ٱمْرَأَتُ فِرْعَوْنَ قُرَّتُ عَيْنٍۢ لِّى وَلَكَ ۖ لَا تَقْتُلُوهُ عَسَىٰٓ أَن يَنفَعَنَآ أَوْ نَتَّخِذَهُۥ وَلَدًۭا وَهُمْ لَا يَشْعُرُونَ ۝۹

フィルアウンの妻は言った。「(これは)わたしとあなたの目の喜びです。かれを殺してはいけません。わたしたちの役に立つこともありましょう。また養子にしてもよい。」かれらは(その行っていることの意味に)気付かなかった。

وَأَصْبَحَ فُؤَادُ أُمِّ مُوسَىٰ فَٰرِغًا ۖ إِن كَادَتْ لَتُبْدِى بِهِۦ لَوْلَآ أَن رَّبَطْنَا عَلَىٰ قَلْبِهَا لِتَكُونَ مِنَ ٱلْمُؤْمِنِينَ ۝١۰

ムーサーの母の心は空になった。もしわれが,その心を(信仰で)強くしなかったならば,かの女は危くそのことを,打ち明けてしまうところであった。やっとかの女は,信者の一人として留まった。

وَقَالَتْ لِأُخْتِهِۦ قُصِّيهِ ۖ فَبَصُرَتْ بِهِۦ عَن جُنُبٍۢ وَهُمْ لَا يَشْعُرُونَ ۝١١

そしてかの女は(ムーサーの)姉に,「かれ(の後)を付けなさい。」と言った。それでかの女は,遠くからかれを見守っていたので,かれらは何も気付かなかった。

۞ وَحَرَّمْنَا عَلَيْهِ ٱلْمَرَاضِعَ مِن قَبْلُ فَقَالَتْ هَلْ أَدُلُّكُمْ عَلَىٰٓ أَهْلِ بَيْتٍۢ يَكْفُلُونَهُۥ لَكُمْ وَهُمْ لَهُۥ نَٰصِحُونَ ۝١٢

われは前もってかれ(ムーサー)に乳母(の乳)を禁じて置いた。それでかの女(ムーサーの姉)は言った。「あなたがたに,かれを育てる家族をお知らせしましょうか。かれに懇に付き添う者たちであります。」

فَرَدَدْنَٰهُ إِلَىٰٓ أُمِّهِۦ كَىْ تَقَرَّ عَيْنُهَا وَلَا تَحْزَنَ وَلِتَعْلَمَ أَنَّ وَعْدَ ٱللَّهِ حَقٌّۭ وَلَٰكِنَّ أَكْثَرَهُمْ لَا يَعْلَمُونَ ۝١۳

こうしてわれは,かれをその母に返してやった。かの女の目は生気を取り戻し悲しみも消え失せた。かの女はアッラーの約束が,真実であることを納得した。だがかれらの多くは(このことが)分らなかった。

وَلَمَّا بَلَغَ أَشُدَّهُۥ وَٱسْتَوَىٰٓ ءَاتَيْنَٰهُ حُكْمًۭا وَعِلْمًۭا ۚ وَكَذَٰلِكَ نَجْزِى ٱلْمُحْسِنِينَ ۝١٤

かれが成年に達し立派な者になった時,われは英知と知識を授けた。このようにわれは,善行をなす者に報いる。

وَدَخَلَ ٱلْمَدِينَةَ عَلَىٰ حِينِ غَفْلَةٍۢ مِّنْ أَهْلِهَا فَوَجَدَ فِيهَا رَجُلَيْنِ يَقْتَتِلَانِ هَٰذَا مِن شِيعَتِهِۦ وَهَٰذَا مِنْ عَدُوِّهِۦ ۖ فَٱسْتَغَٰثَهُ ٱلَّذِى مِن شِيعَتِهِۦ عَلَى ٱلَّذِى مِنْ عَدُوِّهِۦ فَوَكَزَهُۥ مُوسَىٰ فَقَضَىٰ عَلَيْهِ ۖ قَالَ هَٰذَا مِنْ عَمَلِ ٱلشَّيْطَٰنِ ۖ إِنَّهُۥ عَدُوٌّۭ مُّضِلٌّۭ مُّبِينٌۭ ۝١٥

(ある時)かれは,人が注意していない隙に町に入り,2人の者がそこで相争っているのを見かけた。その1人はかれの一派の者で,外は敵方の者であった。かれの一派の者が,敵方の者に対し,かれに加勢を求めた。そこでムーサーはかれを挙で打って,息の根を正めてしまった。かれは言った。「これは悪魔の仕業である。本当にかれは,人を惑わす公然の敵である。」

قَالَ رَبِّ إِنِّى ظَلَمْتُ نَفْسِى فَٱغْفِرْ لِى فَغَفَرَ لَهُۥٓ ۚ إِنَّهُۥ هُوَ ٱلْغَفُورُ ٱلرَّحِيمُ ۝١٦

かれは(祈って)言った。「主よ,本当にわたしは自ら不義を犯しました。どうかわたしを御赦し下さい。」それで(アッラーは)かれを赦された。本当にかれは覚容にして慈悲深くあられる。

قَالَ رَبِّ بِمَآ أَنْعَمْتَ عَلَىَّ فَلَنْ أَكُونَ ظَهِيرًۭا لِّلْمُجْرِمِينَ ۝١۷

かれは申し上げた。「主よ,あなたはわたしに恩恵を与えて下さいました。だからわたしは,もう決して罪を犯す者たちの味方にはなりません。」

فَأَصْبَحَ فِى ٱلْمَدِينَةِ خَآئِفًۭا يَتَرَقَّبُ فَإِذَا ٱلَّذِى ٱسْتَنصَرَهُۥ بِٱلْأَمْسِ يَسْتَصْرِخُهُۥ ۚ قَالَ لَهُۥ مُوسَىٰٓ إِنَّكَ لَغَوِىٌّۭ مُّبِينٌۭ ۝١۸

翌朝かれは,町で,あたりを警戒し,恐れを抱きながら町を見回すと,見るがいい。前日かれに援助を求めた者が,かれに助けを請うて叫んだ。ムーサーはかれに言った。「あなたはよくよく間違いをしでかす男だ」。

فَلَمَّآ أَنْ أَرَادَ أَن يَبْطِشَ بِٱلَّذِى هُوَ عَدُوٌّۭ لَّهُمَا قَالَ يَٰمُوسَىٰٓ أَتُرِيدُ أَن تَقْتُلَنِى كَمَا قَتَلْتَ نَفْسًۢا بِٱلْأَمْسِ ۖ إِن تُرِيدُ إِلَّآ أَن تَكُونَ جَبَّارًۭا فِى ٱلْأَرْضِ وَمَا تُرِيدُ أَن تَكُونَ مِنَ ٱلْمُصْلِحِينَ ۝١۹

それでかれが,自分たちの敵である者に暴力を振おうと決心した時,相手は言った。「ムーサーよ,あなたは昨日人を殺したように,わたしをも殺そうとするのですか。あなたは地上において,調和を計ることを望まない暴君になりたいのでしょう。」

وَجَآءَ رَجُلٌۭ مِّنْ أَقْصَا ٱلْمَدِينَةِ يَسْعَىٰ قَالَ يَٰمُوسَىٰٓ إِنَّ ٱلْمَلَأَ يَأْتَمِرُونَ بِكَ لِيَقْتُلُوكَ فَٱخْرُجْ إِنِّى لَكَ مِنَ ٱلنَّٰصِحِينَ ۝٢۰

その時一人の者が町の一番はずれから走って来て言った。「ムーサーよ。長老たちがあなたを殺そうと相談している。だから(すぐ)立ち去りなさい。わたしはあなたの誠実な忠告者です。」

فَخَرَجَ مِنْهَا خَآئِفًۭا يَتَرَقَّبُ ۖ قَالَ رَبِّ نَجِّنِى مِنَ ٱلْقَوْمِ ٱلظَّٰلِمِينَ ۝٢١

それでかれは,恐れながら(あたりを)見回し,そこから逃げ出し,(祈って)「不義の民からわたしを御救い下さい。」と言った。

وَلَمَّا تَوَجَّهَ تِلْقَآءَ مَدْيَنَ قَالَ عَسَىٰ رَبِّىٓ أَن يَهْدِيَنِى سَوَآءَ ٱلسَّبِيلِ ۝٢٢

かれは顔をマドヤンの方に向けて,「主は,わたしを平和な正しい道に御導き下さるかもしれません。」と言った。

وَلَمَّا وَرَدَ مَآءَ مَدْيَنَ وَجَدَ عَلَيْهِ أُمَّةًۭ مِّنَ ٱلنَّاسِ يَسْقُونَ وَوَجَدَ مِن دُونِهِمُ ٱمْرَأَتَيْنِ تَذُودَانِ ۖ قَالَ مَا خَطْبُكُمَا ۖ قَالَتَا لَا نَسْقِى حَتَّىٰ يُصْدِرَ ٱلرِّعَآءُ ۖ وَأَبُونَا شَيْخٌۭ كَبِيرٌۭ ۝٢۳

それからマドヤンの水場に来てみると,かれは一群の人びとが(その家畜に)水をやっているのを見た。また,かれらの片隅に,2人の婦人が(懸命に家畜を水場に近よらせまいとして)後方に控えているのを見かけた。かれは言った。「お2人はどうかなされたのですか。」2人は言った。「わたしたちはその牧夫たちが帰るまで,水をやることが出来ません。わたしたちの父は,大変年老いています。」

فَسَقَىٰ لَهُمَا ثُمَّ تَوَلَّىٰٓ إِلَى ٱلظِّلِّ فَقَالَ رَبِّ إِنِّى لِمَآ أَنزَلْتَ إِلَىَّ مِنْ خَيْرٍۢ فَقِيرٌۭ ۝٢٤

そこでかれは2人のために(家畜の群に)水をやり,それから木陰に退いて(祈って)言った。「主よ,あなたがわたしに御授けになる,何か善いものが欲しいのです。」

فَجَآءَتْهُ إِحْدَىٰهُمَا تَمْشِى عَلَى ٱسْتِحْيَآءٍۢ قَالَتْ إِنَّ أَبِى يَدْعُوكَ لِيَجْزِيَكَ أَجْرَ مَا سَقَيْتَ لَنَا ۚ فَلَمَّا جَآءَهُۥ وَقَصَّ عَلَيْهِ ٱلْقَصَصَ قَالَ لَا تَخَفْ ۖ نَجَوْتَ مِنَ ٱلْقَوْمِ ٱلظَّٰلِمِينَ ۝٢٥

2人の女の中の1人が,恥ずかしげにかれのところにやって来て言った。「わたしたちのために水をやって下さったので,父があなたを御招きして,御礼したいそうです。」そこでかれ(ムーサー)はかれのところにやって来て,身の上話をした。かれ(父親)は言った。「心配なさるな。あなたは不義の民から逃れたのです。」

قَالَتْ إِحْدَىٰهُمَا يَٰٓأَبَتِ ٱسْتَـْٔجِرْهُ ۖ إِنَّ خَيْرَ مَنِ ٱسْتَـْٔجَرْتَ ٱلْقَوِىُّ ٱلْأَمِينُ ۝٢٦

2人の女の1人が言った。「かれを御雇いなさいませ。あなたのために雇って一番善いのは,強健で誠実(な人物)です。」

قَالَ إِنِّىٓ أُرِيدُ أَنْ أُنكِحَكَ إِحْدَى ٱبْنَتَىَّ هَٰتَيْنِ عَلَىٰٓ أَن تَأْجُرَنِى ثَمَٰنِىَ حِجَجٍۢ ۖ فَإِنْ أَتْمَمْتَ عَشْرًۭا فَمِنْ عِندِكَ ۖ وَمَآ أُرِيدُ أَنْ أَشُقَّ عَلَيْكَ ۚ سَتَجِدُنِىٓ إِن شَآءَ ٱللَّهُ مِنَ ٱلصَّٰلِحِينَ ۝٢۷

かれ(父親)は言った。「あなたが,もし8年間わたしのために働いてくれれば,わたしは2人の娘の中の1人を,あなたに妻せたい。もし10年を費やしたいならば,それもあなたの御自由に任せよう。わたしはあなたに,無理強いするつもりはない。アッラーが御好みなら,わたしが正しい人間であることが,あなたにも分るでしょう。」

قَالَ ذَٰلِكَ بَيْنِى وَبَيْنَكَ ۖ أَيَّمَا ٱلْأَجَلَيْنِ قَضَيْتُ فَلَا عُدْوَٰنَ عَلَىَّ ۖ وَٱللَّهُ عَلَىٰ مَا نَقُولُ وَكِيلٌۭ ۝٢۸

かれ(ムーサー)は言った。「それはわたしとあなたの間(の約束)であります。2つの期限のどちらを満期としても,わたしを責めないで下さい。アッラーが,わたしたちの言ったことの,証人であられます。」

۞ فَلَمَّا قَضَىٰ مُوسَى ٱلْأَجَلَ وَسَارَ بِأَهْلِهِۦٓ ءَانَسَ مِن جَانِبِ ٱلطُّورِ نَارًۭا قَالَ لِأَهْلِهِ ٱمْكُثُوٓا۟ إِنِّىٓ ءَانَسْتُ نَارًۭا لَّعَلِّىٓ ءَاتِيكُم مِّنْهَا بِخَبَرٍ أَوْ جَذْوَةٍۢ مِّنَ ٱلنَّارِ لَعَلَّكُمْ تَصْطَلُونَ ۝٢۹

それからムーサーが年期を満了し,家族と一緒に旅している時トール山の傍に,一点の火を認めた。かれは家族に言った。「あなたがたは待っていなさい。わたしは火を認めた。あそこからあなたがたに消息を持って来よう。または火把を持ち返って,あなたがたを暖めよう。」

فَلَمَّآ أَتَىٰهَا نُودِىَ مِن شَٰطِئِ ٱلْوَادِ ٱلْأَيْمَنِ فِى ٱلْبُقْعَةِ ٱلْمُبَٰرَكَةِ مِنَ ٱلشَّجَرَةِ أَن يَٰمُوسَىٰٓ إِنِّىٓ أَنَا ٱللَّهُ رَبُّ ٱلْعَٰلَمِينَ ۝۳۰

そこにやってくると,谷間の右側の,祝福された地にある一本の木から声がした。「おおムーサーよ,本当にわれは万有の主,アッラーであるぞ。

وَأَنْ أَلْقِ عَصَاكَ ۖ فَلَمَّا رَءَاهَا تَهْتَزُّ كَأَنَّهَا جَآنٌّۭ وَلَّىٰ مُدْبِرًۭا وَلَمْ يُعَقِّبْ ۚ يَٰمُوسَىٰٓ أَقْبِلْ وَلَا تَخَفْ ۖ إِنَّكَ مِنَ ٱلْءَامِنِينَ ۝۳١

さ,あなたの杖を投げなさい。」するとかれはそれが蛇のように動くのを見て,踵を返して逃げ出し,後ろも振り向かなかった。(その時また声がした)。「ムーサーよ,近寄れ。そして恐れるな。本当にあなたは,堅く守護されている者である。

ٱسْلُكْ يَدَكَ فِى جَيْبِكَ تَخْرُجْ بَيْضَآءَ مِنْ غَيْرِ سُوٓءٍۢ وَٱضْمُمْ إِلَيْكَ جَنَاحَكَ مِنَ ٱلرَّهْبِ ۖ فَذَٰنِكَ بُرْهَٰنَانِ مِن رَّبِّكَ إِلَىٰ فِرْعَوْنَ وَمَلَإِي۟هِۦٓ ۚ إِنَّهُمْ كَانُوا۟ قَوْمًۭا فَٰسِقِينَ ۝۳٢

あなたの手を懐に入れなさい。何の触りもないのにそれは白くなろう。恐の念があるならば,腕を(両脇に)締め付け(れば落付くだろう)。これらは,あなたの主からの,フィルアウンとその長老たちに対する2つの証明である。本当にかれらは,主の掟に背く者である。」

قَالَ رَبِّ إِنِّى قَتَلْتُ مِنْهُمْ نَفْسًۭا فَأَخَافُ أَن يَقْتُلُونِ ۝۳۳

かれは申し上げた。「主よ,わたしはかれらの1人を殺しました。それでかれらがわたしを殺すのを恐れます。

وَأَخِى هَٰرُونُ هُوَ أَفْصَحُ مِنِّى لِسَانًۭا فَأَرْسِلْهُ مَعِىَ رِدْءًۭا يُصَدِّقُنِىٓ ۖ إِنِّىٓ أَخَافُ أَن يُكَذِّبُونِ ۝۳٤

しかしわたしの兄のハールーンはわたしよりも雄弁です。それでわたしの言葉が信じられる援助者として,かれをわたしと一諸に遺わして下さい。わたしは,かれらに虚言の徒とされることを恐れます。」

قَالَ سَنَشُدُّ عَضُدَكَ بِأَخِيكَ وَنَجْعَلُ لَكُمَا سُلْطَٰنًۭا فَلَا يَصِلُونَ إِلَيْكُمَا ۚ بِـَٔايَٰتِنَآ أَنتُمَا وَمَنِ ٱتَّبَعَكُمَا ٱلْغَٰلِبُونَ ۝۳٥

かれは仰せられた。「われはあなたの兄を,あなたの片腕とし,またあなたがた両人に権威を授けよう。そうすればわが印によってかれらはあなたがたに危害を与えられないであろう。あなたがた両人とあなたがたに従う者は,必ず勝利者となる。」

فَلَمَّا جَآءَهُم مُّوسَىٰ بِـَٔايَٰتِنَا بَيِّنَٰتٍۢ قَالُوا۟ مَا هَٰذَآ إِلَّا سِحْرٌۭ مُّفْتَرًۭى وَمَا سَمِعْنَا بِهَٰذَا فِىٓ ءَابَآئِنَا ٱلْأَوَّلِينَ ۝۳٦

ムーサーがわれの明白な印をもって,かれらの許に来ると,かれらは言った。「これは作り上げた魔術に過ぎません。わたしたちは,昔の祖先の間でも,こんなことは聞きませんでした。」

وَقَالَ مُوسَىٰ رَبِّىٓ أَعْلَمُ بِمَن جَآءَ بِٱلْهُدَىٰ مِنْ عِندِهِۦ وَمَن تَكُونُ لَهُۥ عَٰقِبَةُ ٱلدَّارِ ۖ إِنَّهُۥ لَا يُفْلِحُ ٱلظَّٰلِمُونَ ۝۳۷

ムーサーは言った。「わたしの主は,誰がかれの御許から来たのか,また誰が(来世の)住まいを得るか,を熟知される。悪を行う者は決して成功しません。」

وَقَالَ فِرْعَوْنُ يَٰٓأَيُّهَا ٱلْمَلَأُ مَا عَلِمْتُ لَكُم مِّنْ إِلَٰهٍ غَيْرِى فَأَوْقِدْ لِى يَٰهَٰمَٰنُ عَلَى ٱلطِّينِ فَٱجْعَل لِّى صَرْحًۭا لَّعَلِّىٓ أَطَّلِعُ إِلَىٰٓ إِلَٰهِ مُوسَىٰ وَإِنِّى لَأَظُنُّهُۥ مِنَ ٱلْكَٰذِبِينَ ۝۳۸

フィルアウンは言った。「長老たちよ。わたし以外に,あなたがたに神がある筈がない。そしてハーマーンよ,泥(を焼いた煉瓦)でわたしのために高殿を築け。そしてムーサーの神の許に登って行こう。わたしには,どうもかれは虚言の徒であると思われる。」

وَٱسْتَكْبَرَ هُوَ وَجُنُودُهُۥ فِى ٱلْأَرْضِ بِغَيْرِ ٱلْحَقِّ وَظَنُّوٓا۟ أَنَّهُمْ إِلَيْنَا لَا يُرْجَعُونَ ۝۳۹

かれとかれの軍勢は,地上において正義を無視し,高慢であった。そして自分たちは決してわれに帰されないのだと,考えていた。

فَأَخَذْنَٰهُ وَجُنُودَهُۥ فَنَبَذْنَٰهُمْ فِى ٱلْيَمِّ ۖ فَٱنظُرْ كَيْفَ كَانَ عَٰقِبَةُ ٱلظَّٰلِمِينَ ۝٤۰

それでわれは,かれとかれの軍勢を捕え,海に投げ込んだ。見るがいい。悪を行う者の最後がどんなものであったかを。

وَجَعَلْنَٰهُمْ أَئِمَّةًۭ يَدْعُونَ إِلَى ٱلنَّارِ ۖ وَيَوْمَ ٱلْقِيَٰمَةِ لَا يُنصَرُونَ ۝٤١

われは,かれらを(人びとを)火獄に誘う先導者とした。復活の日には,かれらは助けられることはない。

وَأَتْبَعْنَٰهُمْ فِى هَٰذِهِ ٱلدُّنْيَا لَعْنَةًۭ ۖ وَيَوْمَ ٱلْقِيَٰمَةِ هُم مِّنَ ٱلْمَقْبُوحِينَ ۝٤٢

現世において,われはかれらに呪いを付き纒わせた。復活の日においても,かれらは嫌われるであろう。

وَلَقَدْ ءَاتَيْنَا مُوسَى ٱلْكِتَٰبَ مِنۢ بَعْدِ مَآ أَهْلَكْنَا ٱلْقُرُونَ ٱلْأُولَىٰ بَصَآئِرَ لِلنَّاسِ وَهُدًۭى وَرَحْمَةًۭ لَّعَلَّهُمْ يَتَذَكَّرُونَ ۝٤۳

本当にわれは,昔の幾世代を滅ぼした後,人びとの開眼のために,また導きと慈悲のために,ムーサーに啓典を授けた。必ずかれらは訓戒を受け入れるであろう。

وَمَا كُنتَ بِجَانِبِ ٱلْغَرْبِىِّ إِذْ قَضَيْنَآ إِلَىٰ مُوسَى ٱلْأَمْرَ وَمَا كُنتَ مِنَ ٱلشَّٰهِدِينَ ۝٤٤

われがムーサーに命令を下した時,あなたは(シナイ山の)西側におらず,また(その)証人でもなかった。

وَلَٰكِنَّآ أَنشَأْنَا قُرُونًۭا فَتَطَاوَلَ عَلَيْهِمُ ٱلْعُمُرُ ۚ وَمَا كُنتَ ثَاوِيًۭا فِىٓ أَهْلِ مَدْيَنَ تَتْلُوا۟ عَلَيْهِمْ ءَايَٰتِنَا وَلَٰكِنَّا كُنَّا مُرْسِلِينَ ۝٤٥

だが,われは(その後)幾世代を過ごさせ,かれらの生命を永らえさせた。あなたはまた,マドヤンの民の間に住んで,かれらにわれの印の読誦もしたわけではなかった。だがわれは(啓示を授け)使徒たちを遣わしたのである。

وَمَا كُنتَ بِجَانِبِ ٱلطُّورِ إِذْ نَادَيْنَا وَلَٰكِن رَّحْمَةًۭ مِّن رَّبِّكَ لِتُنذِرَ قَوْمًۭا مَّآ أَتَىٰهُم مِّن نَّذِيرٍۢ مِّن قَبْلِكَ لَعَلَّهُمْ يَتَذَكَّرُونَ ۝٤٦

またわれが(ムーサーに)呼び掛けた時,あなたはシナイ(山)の傍らにいたわけではなかった。だがあなたの主からの慈悲として(クルアーンが授けられ),あなた以前に1人の警告者ももたなかった(マッカの)民に警告するため(あなたは遣わされたの)である。必ずかれらは,訓戒を受け入れるであろう。

وَلَوْلَآ أَن تُصِيبَهُم مُّصِيبَةٌۢ بِمَا قَدَّمَتْ أَيْدِيهِمْ فَيَقُولُوا۟ رَبَّنَا لَوْلَآ أَرْسَلْتَ إِلَيْنَا رَسُولًۭا فَنَتَّبِعَ ءَايَٰتِكَ وَنَكُونَ مِنَ ٱلْمُؤْمِنِينَ ۝٤۷

もしそうしなかったならば,かれらの手が先になした(行いの)ため,かれらには災厄が襲いかかるであろう。その時になって,かれらは言うであろう。「主よ,何故あなたは,使徒をわたしたちに御遣わしにならなかったのか。わたしたちはあなたの印に従い,信心深い者になったものを。」

فَلَمَّا جَآءَهُمُ ٱلْحَقُّ مِنْ عِندِنَا قَالُوا۟ لَوْلَآ أُوتِىَ مِثْلَ مَآ أُوتِىَ مُوسَىٰٓ ۚ أَوَلَمْ يَكْفُرُوا۟ بِمَآ أُوتِىَ مُوسَىٰ مِن قَبْلُ ۖ قَالُوا۟ سِحْرَانِ تَظَٰهَرَا وَقَالُوٓا۟ إِنَّا بِكُلٍّۢ كَٰفِرُونَ ۝٤۸

だが(今)わが手許から,真理がかれらに届けられると,言う。「ムーサーに与えられたものと同じようなものが,どうしてかれに与えられないのであろうか。」かれらは以前にも,ムーサーに与えられたものを信じなかったではないか。かれらは,「2つとも魔術である。互いに助けあうものである。」と言った。「わたしたちは(どちらも)信じない。」と言ったりした。

قُلْ فَأْتُوا۟ بِكِتَٰبٍۢ مِّنْ عِندِ ٱللَّهِ هُوَ أَهْدَىٰ مِنْهُمَآ أَتَّبِعْهُ إِن كُنتُمْ صَٰدِقِينَ ۝٤۹

言ってやるがいい。「それなら,この2つよりも優れた導きとなる啓典を,アッラーの御許から持って来い。あなたがたが真実なら,わたしはそれに従おう。」

فَإِن لَّمْ يَسْتَجِيبُوا۟ لَكَ فَٱعْلَمْ أَنَّمَا يَتَّبِعُونَ أَهْوَآءَهُمْ ۚ وَمَنْ أَضَلُّ مِمَّنِ ٱتَّبَعَ هَوَىٰهُ بِغَيْرِ هُدًۭى مِّنَ ٱللَّهِ ۚ إِنَّ ٱللَّهَ لَا يَهْدِى ٱلْقَوْمَ ٱلظَّٰلِمِينَ ۝٥۰

それでかれらがもしあなたがたに答えられないなら,かれらは只,自分の(低い)欲望に従っているに過ぎないことを知れ。アッラーからの導きがなく,自分の欲望に従う者以上に道に迷う者があろうか。本当にアッラーは悪を行う民を御導きになられない。

۞ وَلَقَدْ وَصَّلْنَا لَهُمُ ٱلْقَوْلَ لَعَلَّهُمْ يَتَذَكَّرُونَ ۝٥١

今われはかれら(マッカの民)にも言葉を届けた。必ずかれらは訓戒を受け入れるであろう。

ٱلَّذِينَ ءَاتَيْنَٰهُمُ ٱلْكِتَٰبَ مِن قَبْلِهِۦ هُم بِهِۦ يُؤْمِنُونَ ۝٥٢

われがこれ以前に啓典を授けた者たちはよく信仰している。

وَإِذَا يُتْلَىٰ عَلَيْهِمْ قَالُوٓا۟ ءَامَنَّا بِهِۦٓ إِنَّهُ ٱلْحَقُّ مِن رَّبِّنَآ إِنَّا كُنَّا مِن قَبْلِهِۦ مُسْلِمِينَ ۝٥۳

それがかれらに読誦されると,かれらは言う。「本当にこれは主から下された真理です。わたしたちはこれを信じます。わたしたちはこの(下る)以前からムスリムであったのです。」

أُو۟لَٰٓئِكَ يُؤْتَوْنَ أَجْرَهُم مَّرَّتَيْنِ بِمَا صَبَرُوا۟ وَيَدْرَءُونَ بِٱلْحَسَنَةِ ٱلسَّيِّئَةَ وَمِمَّا رَزَقْنَٰهُمْ يُنفِقُونَ ۝٥٤

これらの者は2倍の報奨を与えられよう。かれらは(よく) 耐え忍び,善をもって悪を退け,われが与えたものを施すために。

وَإِذَا سَمِعُوا۟ ٱللَّغْوَ أَعْرَضُوا۟ عَنْهُ وَقَالُوا۟ لَنَآ أَعْمَٰلُنَا وَلَكُمْ أَعْمَٰلُكُمْ سَلَٰمٌ عَلَيْكُمْ لَا نَبْتَغِى ٱلْجَٰهِلِينَ ۝٥٥

また,つまらない談話を耳にする時かれらは身を引いて言う。「わたしたちには,わたしたちの行いがあり,あなたがたにはあなたがたの行いがある。あなたがたの上に平安あれ。わたしたちは真理を拒む者を相手にしない。

إِنَّكَ لَا تَهْدِى مَنْ أَحْبَبْتَ وَلَٰكِنَّ ٱللَّهَ يَهْدِى مَن يَشَآءُ ۚ وَهُوَ أَعْلَمُ بِٱلْمُهْتَدِينَ ۝٥٦

本当にあなたは,自分の好む者(の凡て)を導くことは出来ない。だがアッラーは御心のままに導き下される。かれは導かれた者を熟知なされる。

وَقَالُوٓا۟ إِن نَّتَّبِعِ ٱلْهُدَىٰ مَعَكَ نُتَخَطَّفْ مِنْ أَرْضِنَآ ۚ أَوَلَمْ نُمَكِّن لَّهُمْ حَرَمًا ءَامِنًۭا يُجْبَىٰٓ إِلَيْهِ ثَمَرَٰتُ كُلِّ شَىْءٍۢ رِّزْقًۭا مِّن لَّدُنَّا وَلَٰكِنَّ أَكْثَرَهُمْ لَا يَعْلَمُونَ ۝٥۷

かれらは言う。「わたしたちが,もしあなたと一緒になって導きに従うならば,わたしたちはこの土地から追われることになろう。」われは,かれらのために安全な聖域を設け,われからの糧として凡ての果実をそこに集めたではないか。だがかれらの多くはそれが分らない。

وَكَمْ أَهْلَكْنَا مِن قَرْيَةٍۭ بَطِرَتْ مَعِيشَتَهَا ۖ فَتِلْكَ مَسَٰكِنُهُمْ لَمْ تُسْكَن مِّنۢ بَعْدِهِمْ إِلَّا قَلِيلًۭا ۖ وَكُنَّا نَحْنُ ٱلْوَٰرِثِينَ ۝٥۸

われは如何に多くの(安楽で裕福な)生活に有頂天になった町を,滅ぼしたことであろうか。それ以来,かれらの居所には,(至極)僅かな人びとを除き住む者もない。(結局)われが,それらの相続者である。

وَمَا كَانَ رَبُّكَ مُهْلِكَ ٱلْقُرَىٰ حَتَّىٰ يَبْعَثَ فِىٓ أُمِّهَا رَسُولًۭا يَتْلُوا۟ عَلَيْهِمْ ءَايَٰتِنَا ۚ وَمَا كُنَّا مُهْلِكِى ٱلْقُرَىٰٓ إِلَّا وَأَهْلُهَا ظَٰلِمُونَ ۝٥۹

だがあなたの主はその(国の)首都に使徒を遣わし,かれらにわが印を読誦してからでなければ1つの町をも滅ぼしたことがなかった。またその民が悪を行わない限り,町や村を滅ぼさなかった。

وَمَآ أُوتِيتُم مِّن شَىْءٍۢ فَمَتَٰعُ ٱلْحَيَوٰةِ ٱلدُّنْيَا وَزِينَتُهَا ۚ وَمَا عِندَ ٱللَّهِ خَيْرٌۭ وَأَبْقَىٰٓ ۚ أَفَلَا تَعْقِلُونَ ۝٦۰

あなたがたに与えられたものは,現世の生活のための便益と,その飾りに過ぎない。だがアッラーの御許にあるものこそ,最善で永遠に残るものである。あなたがたは悟らないのか。

أَفَمَن وَعَدْنَٰهُ وَعْدًا حَسَنًۭا فَهُوَ لَٰقِيهِ كَمَن مَّتَّعْنَٰهُ مَتَٰعَ ٱلْحَيَوٰةِ ٱلدُّنْيَا ثُمَّ هُوَ يَوْمَ ٱلْقِيَٰمَةِ مِنَ ٱلْمُحْضَرِينَ ۝٦١

われが良い約束を約し,それが果される者と,現世の生活の快楽を享受し,それから復活の日に(懲罰ののために)連れ出されるような者と,同じであろうか。

وَيَوْمَ يُنَادِيهِمْ فَيَقُولُ أَيْنَ شُرَكَآءِىَ ٱلَّذِينَ كُنتُمْ تَزْعُمُونَ ۝٦٢

その日(主は)かれらに呼びかけて,仰せられる。「あなたがたが言い張っていた,わが仲間たち(の神々)は何処にいるのか。」

قَالَ ٱلَّذِينَ حَقَّ عَلَيْهِمُ ٱلْقَوْلُ رَبَّنَا هَٰٓؤُلَآءِ ٱلَّذِينَ أَغْوَيْنَآ أَغْوَيْنَٰهُمْ كَمَا غَوَيْنَا ۖ تَبَرَّأْنَآ إِلَيْكَ ۖ مَا كَانُوٓا۟ إِيَّانَا يَعْبُدُونَ ۝٦۳

判決が言い渡される者たち(不信心者)は言う。「主よ,これらは,わたしたちが迷わせた者(外の不信心者)です。かれらを迷わせましたが自分たちも迷っていたのです。だがわたしたちは,あなたに対して潔白です。かれらが拝したのは,決してわたしたちではありません。」

وَقِيلَ ٱدْعُوا۟ شُرَكَآءَكُمْ فَدَعَوْهُمْ فَلَمْ يَسْتَجِيبُوا۟ لَهُمْ وَرَأَوُا۟ ٱلْعَذَابَ ۚ لَوْ أَنَّهُمْ كَانُوا۟ يَهْتَدُونَ ۝٦٤

すると言われよう。「あなたがたの仲間に祈るがよい。」それでかれらはそれらに祈るのだが,それらは答えない。かれらは懲罰を見るであろう。もしかれらが導かれていたならば(よかったものを)。

وَيَوْمَ يُنَادِيهِمْ فَيَقُولُ مَاذَآ أَجَبْتُمُ ٱلْمُرْسَلِينَ ۝٦٥

その日,かれはかれらに呼び掛けて仰せられる。「あなたがたは,使徒に何と答えたのか。」

فَعَمِيَتْ عَلَيْهِمُ ٱلْأَنۢبَآءُ يَوْمَئِذٍۢ فَهُمْ لَا يَتَسَآءَلُونَ ۝٦٦

その日,(凡ての)消息はかれらに分らなくなり互いに尋ねあうことも出来ない。

فَأَمَّا مَن تَابَ وَءَامَنَ وَعَمِلَ صَٰلِحًۭا فَعَسَىٰٓ أَن يَكُونَ مِنَ ٱلْمُفْلِحِينَ ۝٦۷

だが悔悟して信仰し,善行に動しんだ者は,成功者の中に入ることになろう。

وَرَبُّكَ يَخْلُقُ مَا يَشَآءُ وَيَخْتَارُ ۗ مَا كَانَ لَهُمُ ٱلْخِيَرَةُ ۚ سُبْحَٰنَ ٱللَّهِ وَتَعَٰلَىٰ عَمَّا يُشْرِكُونَ ۝٦۸

あなたの主は,御望みのものを創られまた選ばれる。(だが)かれらは選ぶことは出来ないのである。アッラーに讃えあれ。かれは,かれらが(主に)配するもの(偶像神たち)の上に高くおられる。

وَرَبُّكَ يَعْلَمُ مَا تُكِنُّ صُدُورُهُمْ وَمَا يُعْلِنُونَ ۝٦۹

またあなたの主は,かれらの胸に隠すことも,現わすことをも知っておられる。

وَهُوَ ٱللَّهُ لَآ إِلَٰهَ إِلَّا هُوَ ۖ لَهُ ٱلْحَمْدُ فِى ٱلْأُولَىٰ وَٱلْءَاخِرَةِ ۖ وَلَهُ ٱلْحُكْمُ وَإِلَيْهِ تُرْجَعُونَ ۝۷۰

かれこそはアッラー,かれの外に神はない。現世と来世における讃美はかれにこそ属し,かれに(現世と来世における)命令は属し,またかれにあなたがたは帰されるのである。

قُلْ أَرَءَيْتُمْ إِن جَعَلَ ٱللَّهُ عَلَيْكُمُ ٱلَّيْلَ سَرْمَدًا إِلَىٰ يَوْمِ ٱلْقِيَٰمَةِ مَنْ إِلَٰهٌ غَيْرُ ٱللَّهِ يَأْتِيكُم بِضِيَآءٍ ۖ أَفَلَا تَسْمَعُونَ ۝۷١

言ってやるがいい。「あなたがたは考えられるのか。アッラーが復活の日まで夜を続けられたとすれば,あなたがたに光を与えられるものは,アッラーの外にどんな神があるのか。あなたがたは,なお聞かないのか。」

قُلْ أَرَءَيْتُمْ إِن جَعَلَ ٱللَّهُ عَلَيْكُمُ ٱلنَّهَارَ سَرْمَدًا إِلَىٰ يَوْمِ ٱلْقِيَٰمَةِ مَنْ إِلَٰهٌ غَيْرُ ٱللَّهِ يَأْتِيكُم بِلَيْلٍۢ تَسْكُنُونَ فِيهِ ۖ أَفَلَا تُبْصِرُونَ ۝۷٢

言ってやるがいい。「あなたがたは考えられるのか。アッラーが復活の日まで昼を続けられたとすれば,休息する夜をあなたがたに与えられるものは,アッラーの外にどんな神があるのか。あなたがたはなお分らないのか。」

وَمِن رَّحْمَتِهِۦ جَعَلَ لَكُمُ ٱلَّيْلَ وَٱلنَّهَارَ لِتَسْكُنُوا۟ فِيهِ وَلِتَبْتَغُوا۟ مِن فَضْلِهِۦ وَلَعَلَّكُمْ تَشْكُرُونَ ۝۷۳

かれは慈悲のこころから,夜と昼をあなたがたのために定められ,それであなたがたは休み,またかれの恩典を求めることが出来る。必ずあなたがたは感謝するであろう。

وَيَوْمَ يُنَادِيهِمْ فَيَقُولُ أَيْنَ شُرَكَآءِىَ ٱلَّذِينَ كُنتُمْ تَزْعُمُونَ ۝۷٤

その日,かれはかれらに呼び掛けて仰せられよう。「あなたがたが言い張っていた。かれの同輩(の神々)は何処にいるのか。」

وَنَزَعْنَا مِن كُلِّ أُمَّةٍۢ شَهِيدًۭا فَقُلْنَا هَاتُوا۟ بُرْهَٰنَكُمْ فَعَلِمُوٓا۟ أَنَّ ٱلْحَقَّ لِلَّهِ وَضَلَّ عَنْهُم مَّا كَانُوا۟ يَفْتَرُونَ ۝۷٥

われは凡ての民からそれぞれ証人を挙げて言う。「あなたがたの証拠を持ち出せ。」その時かれらは,真理はアッラー(御一人)のものであることを知り,またかれらが捏造していたものたちは消え去るであろう。

۞ إِنَّ قَٰرُونَ كَانَ مِن قَوْمِ مُوسَىٰ فَبَغَىٰ عَلَيْهِمْ ۖ وَءَاتَيْنَٰهُ مِنَ ٱلْكُنُوزِ مَآ إِنَّ مَفَاتِحَهُۥ لَتَنُوٓأُ بِٱلْعُصْبَةِ أُو۟لِى ٱلْقُوَّةِ إِذْ قَالَ لَهُۥ قَوْمُهُۥ لَا تَفْرَحْ ۖ إِنَّ ٱللَّهَ لَا يُحِبُّ ٱلْفَرِحِينَ ۝۷٦

さてカールーンは,ムーサーの民の一人であったが,かれらに対し横柄な態度をとるようになった。われは(夥しい)財宝をかれに与えたが,その(宝庫の)鍵は,数人の力の強い男たちにとっても重かった。皆の者は,かれに言った。「有頂天になってはなりません。本当にアッラーは思い上がっている者を御好みになられません。

وَٱبْتَغِ فِيمَآ ءَاتَىٰكَ ٱللَّهُ ٱلدَّارَ ٱلْءَاخِرَةَ ۖ وَلَا تَنسَ نَصِيبَكَ مِنَ ٱلدُّنْيَا ۖ وَأَحْسِن كَمَآ أَحْسَنَ ٱللَّهُ إِلَيْكَ ۖ وَلَا تَبْغِ ٱلْفَسَادَ فِى ٱلْأَرْضِ ۖ إِنَّ ٱللَّهَ لَا يُحِبُّ ٱلْمُفْسِدِينَ ۝۷۷

アッラーがあなたに与えられたもので,来世の住まいを請い求め,この世におけるあなたの(務むべき)部分を忘れてはなりません。そしてアッラーがあなたに善いものを与えられているように,あなたも善行をなし,地上において悪事に励んではなりません。本当にアッラーは悪事を行う者を御好みになりません。」

قَالَ إِنَّمَآ أُوتِيتُهُۥ عَلَىٰ عِلْمٍ عِندِىٓ ۚ أَوَلَمْ يَعْلَمْ أَنَّ ٱللَّهَ قَدْ أَهْلَكَ مِن قَبْلِهِۦ مِنَ ٱلْقُرُونِ مَنْ هُوَ أَشَدُّ مِنْهُ قُوَّةًۭ وَأَكْثَرُ جَمْعًۭا ۚ وَلَا يُسْـَٔلُ عَن ذُنُوبِهِمُ ٱلْمُجْرِمُونَ ۝۷۸

かれは言った。「これを授かったのも,わたしが持っている知識(能力)のためである。」アッラーがかれ以前に,いく世代を滅ぼしたかを,知らなかったのか。かれらは力の点でかれよりも強く,蓄えも巨額であった。凡そ罪を犯した者は,その罪に就いて(直ぐには)尋ねられないのである。

فَخَرَجَ عَلَىٰ قَوْمِهِۦ فِى زِينَتِهِۦ ۖ قَالَ ٱلَّذِينَ يُرِيدُونَ ٱلْحَيَوٰةَ ٱلدُّنْيَا يَٰلَيْتَ لَنَا مِثْلَ مَآ أُوتِىَ قَٰرُونُ إِنَّهُۥ لَذُو حَظٍّ عَظِيمٍۢ ۝۷۹

そこでかれ(カールーン)は,煌びやかに身を飾って人びとの中に出て行った。現世の生活を冀っている者たちは言った。「ああ,わたしたちもカールーンに与えられたようなものが戴けたならばなあ。本当にかれは,素晴しい幸運の持主です。」

وَقَالَ ٱلَّذِينَ أُوتُوا۟ ٱلْعِلْمَ وَيْلَكُمْ ثَوَابُ ٱللَّهِ خَيْرٌۭ لِّمَنْ ءَامَنَ وَعَمِلَ صَٰلِحًۭا وَلَا يُلَقَّىٰهَآ إِلَّا ٱلصَّٰبِرُونَ ۝۸۰

だが(真の)知識を授けられていた者たちは言った。「情けないことを言うな。信仰して善い行いに励む者にとっては,アッラーの報奨こそ最も優れています。だがよく耐え忍ぶ者だけが,それを戴くだろう。」

فَخَسَفْنَا بِهِۦ وَبِدَارِهِ ٱلْأَرْضَ فَمَا كَانَ لَهُۥ مِن فِئَةٍۢ يَنصُرُونَهُۥ مِن دُونِ ٱللَّهِ وَمَا كَانَ مِنَ ٱلْمُنتَصِرِينَ ۝۸١

それからわれは,かれとその屋敷を地の中に埋めてしまった。かれには,アッラーの外に助け手もなく,また自分を守ることも出来なかった。

وَأَصْبَحَ ٱلَّذِينَ تَمَنَّوْا۟ مَكَانَهُۥ بِٱلْأَمْسِ يَقُولُونَ وَيْكَأَنَّ ٱللَّهَ يَبْسُطُ ٱلرِّزْقَ لِمَن يَشَآءُ مِنْ عِبَادِهِۦ وَيَقْدِرُ ۖ لَوْلَآ أَن مَّنَّ ٱللَّهُ عَلَيْنَا لَخَسَفَ بِنَا ۖ وَيْكَأَنَّهُۥ لَا يُفْلِحُ ٱلْكَٰفِرُونَ ۝۸٢

前日(まで)かれの立場を羨んでいた者たちは,言い始めた。「ああ,本当にアッラーは,御望みのしもべたちに,多くも,また少くも,恵まれる(ことが分った)。アッラーの深い御恵みがなかったならば,わたしたちもきっと(地の中に)埋まっていたであろう。ああ,不信心の者たちは,決して成功しないことが分りました。」

تِلْكَ ٱلدَّارُ ٱلْءَاخِرَةُ نَجْعَلُهَا لِلَّذِينَ لَا يُرِيدُونَ عُلُوًّۭا فِى ٱلْأَرْضِ وَلَا فَسَادًۭا ۚ وَٱلْعَٰقِبَةُ لِلْمُتَّقِينَ ۝۸۳

来世の住まいとはこのようなもの。われは地上において威張りたがったり,悪を行わない者にこれを授ける。善果は,主を畏れる者にある。

مَن جَآءَ بِٱلْحَسَنَةِ فَلَهُۥ خَيْرٌۭ مِّنْهَا ۖ وَمَن جَآءَ بِٱلسَّيِّئَةِ فَلَا يُجْزَى ٱلَّذِينَ عَمِلُوا۟ ٱلسَّيِّـَٔاتِ إِلَّا مَا كَانُوا۟ يَعْمَلُونَ ۝۸٤

善行をなす者には,それに優るものを与え,悪行をなす者には,かれらの悪行に応じて報いる。

إِنَّ ٱلَّذِى فَرَضَ عَلَيْكَ ٱلْقُرْءَانَ لَرَآدُّكَ إِلَىٰ مَعَادٍۢ ۚ قُل رَّبِّىٓ أَعْلَمُ مَن جَآءَ بِٱلْهُدَىٰ وَمَنْ هُوَ فِى ضَلَٰلٍۢ مُّبِينٍۢ ۝۸٥

本当に,クルアーンをあなたに授けられるかれは,必ずあなたを帰る所(マッカ)に帰されるであろう。言ってやるがいい。「わたしの主は,導きを(西?)す者が誰か,また明らかに迷っている者が誰であるかを,最もよく知っておられる。」

وَمَا كُنتَ تَرْجُوٓا۟ أَن يُلْقَىٰٓ إِلَيْكَ ٱلْكِتَٰبُ إِلَّا رَحْمَةًۭ مِّن رَّبِّكَ ۖ فَلَا تَكُونَنَّ ظَهِيرًۭا لِّلْكَٰفِرِينَ ۝۸٦

啓典があなたに届けられることは,あなたの予期しなかったところで,偏にあなたの主からの慈悲である。だから決して不信心者を支持してはならない。

وَلَا يَصُدُّنَّكَ عَنْ ءَايَٰتِ ٱللَّهِ بَعْدَ إِذْ أُنزِلَتْ إِلَيْكَ ۖ وَٱدْعُ إِلَىٰ رَبِّكَ ۖ وَلَا تَكُونَنَّ مِنَ ٱلْمُشْرِكِينَ ۝۸۷

アッラーの印があなた(ムハンマド)に下された後,かれら(背信者)があなたをそれ(アッラーの印)から遠ざけるようなことがあってはならない。(人びとを) あなたの主に招け。決して多神教徒の仲間になってはならない。

وَلَا تَدْعُ مَعَ ٱللَّهِ إِلَٰهًا ءَاخَرَ ۘ لَآ إِلَٰهَ إِلَّا هُوَ ۚ كُلُّ شَىْءٍ هَالِكٌ إِلَّا وَجْهَهُۥ ۚ لَهُ ٱلْحُكْمُ وَإِلَيْهِ تُرْجَعُونَ ۝۸۸

またアッラーと一緒に,外のどんな神にも祈ってはならない。かれの外には,神はないのである。かれの御顔の外凡てのものは消滅する。裁決はかれに属し,あなたがたは(凡て)かれの御許に帰されるのである。